栄養素名ー 作用 ー説明
34. 鉄 ヘモグロビンの必須成分。
せっけっきゆうのヘモグロビンの構成成分として、酵素の運搬に働きます。
また、筋肉中では、ミオグロビンの成分として、血液中の酸素を筋肉に取り入れる役目をします。
主な働きは、体の各器官に酸素を運ぶ事ですから、不足すると体が酸欠状態になり、息切れ、めまいなどの貧血による症状が現れます。
鉄は吸収率が低いために、欠乏しやすいミネラルであるため、充分な摂取を心がける必要があります。
35. 亜鉛 発育を促進し、味覚や臭覚を正常に保つ。
亜鉛を必須成分とする酵素は200種以上もあります。
DNAやタンパク質の合成にも働き、細胞の新生を促したり、免疫の機能、味覚にも関わります。
36. マンガン コレステロールの合成、骨の合成、エネルギー作りに関与。
体内では骨の形成や酵素の構成成分、神経の刺激伝達に関わる。
また、愛情のミネラルとも呼ばれ、「マンガンなしでウサギを飼うと、子を産んでも育てない」 ということから、マンガン不足は愛情志向がなくなるといわれています。
性機能や妊娠能力も低下します。
37. クロム 糖質と脂質の代謝に働き、糖尿病や動脈硬化を予防する。
体に有用な働きをするのは、クロムの中でも三価クロムです。
体内ではインスリンの働きを強化して糖質の代謝をよくします。
また、脂質の代謝もよくするので動脈硬化の予防にもなります。
38. 銅 鉄の利用を助けて、貧血を予防し、骨や血管壁を強化する。
体内では、鉄がヘモグロビンを合成するのを助けます。
また、メラニン色素やコラーゲンの生成にも関わります。
39. コバルト ビタミンB12の一部を構成するミネラルで、悪性貧血を防ぐ。
体内にある15%のコバルトがビタミンB12の構成成分となっています。
残りの85%は、酵素を構成するものがあることが分かっている程度で、今のとこ ろ、コバルトの働きのほとんどはビタミンB12による物と考えられます。
40. ケイ素(シリコン) 結合組織を強化。
骨・腱・血管・歯・爪などの結合組織を強化します。
不足すると爪が割れたり、髪が抜けやすくなります。
41. モリブデン 鉄の利用をよくして貧血を予防。
体内では尿酸・糖質・脂質の代謝に関わる。鉄の利用を助け、造血に働きます。
また、食道ガンのリスクを下げるともいわれています。
42. セレン 若さを保つ抗酸化作用。
過酸化脂質などの過酸化物の分解に働く酵素の必須成分で、体の組織の老化を遅らせます。
ビタミンEも同様の作用がありますが、この2つが一緒に働くと効果が増すといわれています。
また、セレンはガン細胞の増殖を阻害する作用もあります。
43. ヨード(ヨウ素) 発育を促進し、心身を元気にします。
甲状腺ホルモンの成分として、発育を促進、エネルギーを高めるなどの作用を担っています。
体内の3分の2は甲状腺に存在します。欠乏しても過剰に摂取しても甲状腺腫が起こります。
44. 硫黄 健康な皮膚、髪、爪を作る。
アミノ酸の構成要素であり、軟骨、骨、腱そして健康な皮膚、髪、爪を作ります。タンパク質の成分であるシスチンというアミノ酸に含まれているため、タンパ ク質が摂取源なのでタンパク質食品さえしっかり摂っていれば不足する心配はありません。
45. バナジウム 脂質の代謝に働き、コレステロールの沈着を防ぐ。
脂質やコレステロールの代謝に働くと考えられている超微量元素です。
46. 必須脂肪酸 人の体内で合成することができない脂肪酸。
① γ-リノレン酸(リノール酸) コレステロールを下げる γ-リノレン酸は母乳にも含まれる栄養学上肘用に重要な必須脂肪酸の一種です。
一般の植物油や動物油にほとんど含まれていないので、通常の食事で補給するのが難しい栄養素です。
肥満・糖尿病・老化・アルコール過飲・高コレステロール血症の人や乳児ではリノール酸を摂取してもγ-リノレン酸に代謝されにくいのでγ-リノレン酸として摂取する必要があります。
n-3系列不飽和脂肪酸(α-リノレン酸など)とのバランスが重要とされています。
② α-リノレン酸 ガン、アレルギーなど現代病を予防する。
n-3系の列不飽和脂肪酸で、体内でEPA、DHAを合成します。
ガン細胞を変化させ、増殖を抑えたり、血圧を下げたり、血栓を解消したりします。
リノー ル酸とは作用を抑制し合う関係であることが分かっています。
③ アラキジン酸 神経系・免疫系・代謝などあらゆる機能に関わる。
免疫系の機能を調節し、全身のさまざまな症状を予防、改善します。また、血圧の調節にも関わります。
人の体の機能を正常に保つために欠かせないものであると同時に、必要以上に体内に存在すると好ましくない作用をすることも顕著であるので摂取に気をつける必要があります。